著者: 藤野英人
出版社: ダイヤモンド社
発売日: 2019-9-11
この本は、投資家という職業になるための本ではありません。人生100年時代における将来の不安を打ち破る、人生をより豊かにするための人生戦略が書かれています。
「投資家みたいに生きろ」とは、普段から投資家が当たり前に考えている投資家の「思考」を手に入れろということです。
この本に書かれている「投資」とは、単に「お金を増やすスキル」というものではなく、もっと広義な意味で「投資」という言葉が使われています。
- 世の中のどこにチャンスが転がっているのか
- 自分の市場価値をどう上げればいいのか
- ノーリスク・ハイリターンな習慣とは何か
- 日本人に欠けている金融教育とは何か
などについて書かれています。
著者について
著者の藤野英人さんは、人気のアクティブ・ファンド「ひふみ投信」を運用している、レオス・キャピタルワークスの代表取締役社長であり、最高投資責任者(ファンドマネージャーのトップ)でもあります。
藤野さんはリーマンショックの影響で、藤野さんの個人資産23億円くらいが、ほぼ無価値になった・・というのを、どこかのメディアでかなり前に見かけたことがあります。その時は自分のファンドを設立するのを諦めかけたのだとか。しかし知人の助言に心を打たれ、不屈の精神で復活、ファンドを設立し、日本の主要な指数をアウトパフォームする成績を叩き出しつづけています。
そんな藤野さんの書かれた本です。
投資家は、アンテナを立てて日常生活を送っている。
投資家は特別な情報を握っているわけではなく、あくまで皆さんと同じ、開示された情報から日々投資先を決めています。同じ情報を見ていても、アンテナを立てて日常生活を送っているかどうかが肝心なわけです。人間は、関心がない事は見えないようにできています。スーツを買おうとしている男性は、街行く人のスーツが気になります。女性の目に入る化粧品の看板は、化粧をしない男性には見えません。そんな人間の性質を理解して、できる限り、幅広く視野を広げてアンテナを立てて生きればいいわけです。
との事です。
日々、ぼ~っと生きていると、投資のヒントに気付かないものです。せっかく投資のチャンスが目の前にあるのに、それをチャンスと気付かず、折角のチャンスを逃してしまいます。日々、アンテナを立てていると、投資のヒントが見えてくるものです。
できる人は朝に強い
リスクを取ってチャレンジする人に共通するのは、朝に強いと言う事です。早起きは、非常にシンプルかつ最強の自己投資だそうです。
朝起きてからの3時間は脳のゴールデンタイムって言いますからね。仕事をするにしろ、勉強をするにしろ、朝活が勝負どころなのでしょう。
社会人になってからも勉強を続けよう。
社会人になると、多くの人は驚くほど勉強しなくなります。大学受験を最後に、社会人になるとぱったりと学ぶことをやめます。けど、大学を卒業してからの勉強習慣の方が、受験時代の勉強よりも多くの差を生みます。勉強をやめた人は、人生の成長が止まります。そこから脱するためにも、朝の時間に投資するようにしましょう
勉強について考えてみれば、大学の専門課程はたったの2年間です。でも社会人の生活はもっと長く、65歳まで働いたとすれば40年以上もあるわけです。
社会に出てからが学びの本番です。
私的に注目したポイント
この本を読んでいて、おおっ、と思った節があります。
それは、「今すぐ評判を得る方法」という部分です。
まず誰でも今すぐ評判を得られる方法が1つあります。
それは皆さんもよく知っている挨拶です。藤野さんは投資家としての経験上、挨拶の威力を何度も思い知ったそうです。藤野さんがファンドマネージャーとして投資先を検討する時、挨拶が重要なポイントになっているそうです。
会社訪問をしたときに、社員が気持ちよく挨拶をしてくれるかどうかは、その会社の活気を見るバロメーターになる
と書かれています。
挨拶と会社の勢いが連動している例は、藤野さんの経験上、挙げたらキリがない位あるそうです。
社員が気持ちよく挨拶をするか、挨拶されることが少ないかと言うのは、会社の業績にも連動しているそうです。
ただ挨拶をするだけなのか?と思われがちですが、実際に会釈やお辞儀すらできないような人が、社会にはたくさんいるとのことです。
感銘を受けた部分
この本に書かれていることで、感銘を受けて、自分でも今後、実践しようと思ったことがあります。
それは、お店で買い物をするときに、「ありがとう」と伝えることです。
実際に藤野さんが会社の近くのコンビニで観察してみたところ、レジで「ありがとう」と言葉に出す人は10人に1人位の割合だったそうです。
ほとんどの人が無言で支払い、無言で品物を受け取って帰るそうです。
「ありがとう」という一言は、相手のやる気にもつながり、やがて自分に返ってきます。
と書かれています。これに関してはとても感銘を受けました。
「学ぶ姿勢」を高める
藤野さんはセミナーを主催している側として、とても気になることがあるそうです。
それは、座る席です。セミナー会場をオープンすると、前のほうの席はガラ空きのまま後ろの席から順に埋まっていくそうです。
これは海外では珍しいことで、日本特有の現象のようです。
主体的に学ぶのであれば、是非、前のほうに座る勇気を持ってほしい。と書かれています。
やはり座る席は、最前列がいいですね。
読書は最高
読書をすることを進めています。読書は確実なリターンが得られる最高の自己投資だと書かれています。
最後に、金融機関に口座を開くにはどうしたらいい? とか、特定口座、一般口座、NISA口座の説明や、投資信託にはどんな種類があるのかとか、そういった説明が続きます。
ぼく的にはなかなか面白い本でしたね。
読んだ本に、一つでも感銘を受けた部分があると、この本を読んで良かったなと思えます。
その他の藤野英人さんの著書はこちら